スーパーエンジニアへの道 -技術リーダーシップへの人間学を年末年始に読みました。昨年のどこかのタイミングで購入してずっと積読していたのですが、このタイミングで読み切れてよかった! タイトルから勝手に嫌煙していたのですが、もっと早く読んでいたらよかったのに!と後悔してしまうくらいにいい本でした。今後も必要なタイミングで何度も読み直すことになりそうです。
第一部「定義」の中で特に印象に残っている部分を自身の感想と共にピックアップします。 全体で5部構成あり、他の部は隔週ペースで記事にする予定です。
1つ1つのワードの意味を解説を省いているので、話が飛躍しているように感じると思います。気になるからはぜひ手元に書籍を持ちながら、読んでいただけると幸いです。🙏
書籍として重要ではない箇所をピックアップしていたり、重要ではあるけど自身には響かなかった部分は省いているので、この記事でだけで書籍全体の要約とするとミスリードしてしまうかもうしれません。ご注意ください🙇♂️
リーダーとは他人が設定した進路を歩むことに満足しない人のことではないだろうか。
かなり冒頭ですが、このフレーズを見たときに、この著者は信用できる!と勝手に好感度が上がりました。自身も根っからリーダー気質ではないものの、人の指示をただ聞くぐらいなら指示できる側にいたいと考えているのでとても共感できました。
「アメとムチ」モデル:
- 一人の行動は彼が直面する威嚇および報償によって完全に定まる。
- 人ではなく立場に着目して関係性を定義する
- 他人をリードすることでリーダーシップを発揮する 普段の仕事を振り返ると「アメとムチ」モデルに固執している自分に気付かされました。本書ではこちらのモデルは推奨しておらず、後者の有機モデルによってリーダーシップを発揮できるとまとめられています。
有機モデル:
- 適切な1つを選択できる時まで複数の可能性を保持することができる。
- 1人の人間と別の1人の人間に着目して関係性を定義する
- プロセスをリードする 自分の中でもうまくチームをまとめられているなと感じられた過去の取り組みはプロセスをリードでき、チームメンバーが自発的に仕組みに従ってくれていたことを思い出しました。プロセスをリードすることを常に意識しておきたいですね。
リーダーシップとは、人々が力を付与するような環境を作り出すプロセスである。
前述の有機モデルのプロセスをリードするを別の表現でまとめられたものです。カッコいい言い回しだったので、ピックアップしています。 プロセスをリードするということは、人に反応して行動し、メンバーに選択を委ね、能動的に動いてもらうこと。プロセスのリードは強制ではなく、成長を促す働きかけということになりますね。
リーダーシップのMOIモデル Motivation(動機づけ) Organization(組織化) idea(アイデア・技術革新)
ざっくりまとめると、どうしてやりたいのか(M)、どうやって進めるのか(O)、どうやったらできるのか(I)になると理解しました。 MとOに関しては、スクラムによる開発を採用することでチーム全体で底上げが可能で、この書籍でいうリーダーの取り組みは一部スクラムにおけるスクラムマスターやプロダクトオーナーと被っているのかもしれません。この書籍は30年以上前のもので先人達のノウハウが少しずつ形を変えて現代の開発フレームワークとして組み込まれてきたのかもしれませんね。 古典と呼ばれている書籍を読むときには、現代だと表現は違うけれどあの事だなと脳内変換しながらと読むと理解が深まりそうです。
問題解決型のリーダーシップ様式
- 問題の理解
- アイデアの流れを調整する
- 品質を保持する
3つの構成要素を上述したMOIモデルの得意な形で達成していくことがリーダーシップになるのだと理解しました。
問題解決型のリーダーに共通に備わっているものが一つある。それは、もっとよいやりかたは必ずある、という信仰である。
優秀なエンジニアは既存の仕組みからさらに改善して生産性を上げますよね。エンジニアの三大美徳に通ずるものがありますね。
問題の理解
- 仕様書を非常に注意深く読む
- 仲間に仕様書を非常に注意深く読むように勧める
- もとの問題に立ち戻ってみることによって論争を解決する
- 顧客から仕様書の不明瞭なところについての説明と追加情報を求める
- 作業がしばらく進んだあと、要求仕様の意味がよりはっきりわかってきた時点で、仕様書を見直す
アイデアの流れを調整する
- うまいアイデアをチームに提供する
- 有用なアイデアをコピーするように奨励する
- チームの同僚が出したアイデアを練り直す
- チームが開発したいと思うアイデアのために、自分のアイデアを引っ込める
- 時間不足の圧力に負けず、時間をかけて、他の人々が自分たちのアイデアを説明するのに耳を傾ける
- 他の人が出したアイデアをテストする
- アイデアの流れを止めないために、メンバーのアイデアをとっさに批判することを控える
- アイデアを批判するときは、アイデアを批判しているのであって、メンバーを批判しているのではないことをはっきりさせる
- 自分のアイデアをメンバーに話す前にはそれをテストする
- 時間と労働力が不足してきたら、新しいアイデアを出そうとするのはもうやめて、ガリガリやり出す
- 前にはうまくいったが、新しい状況には合わないようなアイデアは捨てることを、チームに奨励する
- 捨てたアイデアを他の問題にふさわしい場合は復活させる
品質を管理する
- 品質をプロジェクトの進行につれて計測する
- 制作作業の進行速度を測定し、それを計画と比較し、必要なら解決方針を変更することも辞さない
- プロジェクトから一歩退いて、新しい視点から生き残りの可能性を評価する
- アイデアを実施に移す前に、顧客の確認をとる
問題解決型のリーダーシップ様式のアクションアイデアを書籍から全部書き写しました。「品質を管理する」においてはチームで取り組めている印象ですが、アイデアの流れを調整するは自身がリードできている機会は少ないように感じました。自分の場合は、ここの場面で伸び代がありそうです。
任命型のリーダーばかり考えていると、いかにすれば問題解決型リーダーになり得るかを理解せず仕舞いになる恐れがある
この書籍に出会っていなければ、自分はこの通りになっていたかもしれません。ポジションがつけば足りない部分も自ずとついてくると考えていた部分がありました...💦
続く第二部はまた後ほど🙇♂️